家を建てる!って決めたらまずは土地探しからスタート。
でもでも。。。
・いったい、何を基準に選んでいいかさっぱりわからない。
・不動産屋さんを直接廻って土地探しするのは言いくるめられそうでなんだか不安。
・そもそも、土地を見て回ってもどこをチェックすればいいのかわからない。
わかります。
初めてのことばかりだし、廻りにも気軽に聞ける経験者がいない場合、とっても不安ですよね。
そんな中でも、ここいいんじゃない?!ってピンときた土地があった場合は、あまりグズグズしているのも考えものです。
なぜなら、あなたにとっていい土地というのは他の人にとってもいい条件の可能性が高いから。
「まだ他の場所も気になるし・・・」と迷っていたお客様が、本当にタッチの差で他の方に仮契約されてしまって撃沈。
またイチから振り出しに。。。っていうのは今まで何度も経験しました。
そういうことにならないように、気になった土地があったらサクッとチェックできるように、事前に頭の中を整理しておきましょう!
土地探しのポイントは「自分たちの優先順位を決めること」です。
不動産屋さんとは視点が違う”土地探しの際に知っておいてほしいポイント”と意外と”見落としがちな注意点”を合わせて、今までのお客様の土地探しのお手伝いの際におきた、実際の経験談も交えてご紹介しますので、ぜひお役立てください!
土地探しのポイントは優先順位を決めること
土地探しについては、「頑張れば、いつか全部の希望が叶ったベストな土地に出会う!」なんてことは考えないほうが良いです。
なぜなら家自体は、よく考えてコストさえ贅沢にかければどんな事でも可能ですが、土地ばかりは「どんなに高くてもいいから!」って思ったところで、希望の条件に合った土地が現実に売りに出ていることは滅多にないのです。
では、”ベスト(最高の案件)”ではなくとも、”ベター(より良い案件)”と出会えるようにするためには、どうしたらいいのでしょうか?
まずは、土地探しのポイントを知った上で、その中で自分たちの暮らしにとって、より大事なポイントは何か?の優先順位を決めましょう。
それでは土地探しのチェックポイントを詳しくご紹介します。
エリアで決める
①通勤や通学の利便性
ご夫婦の勤務先や子どもたちの通学先までの、移動にかかかる時間がなるべく近いエリアを選ぶ。
単に勤務先や通学先まで近いかどうかだけでなく、利用する交通機関の路線の本数、始発と終電の時間、ラッシュ時の込み具合。駅までの徒歩での所要時間や駅から自宅までの道路に街灯はあるか(夜道の安全性)も重要。
自家用車での通勤の場合は、周辺道路の朝の渋滞状況なども考慮する。
②子どもの教育環境
私立の小学校や中学校が多い都市部ではそれほど影響はありませんが、地域指定の公立小学校、中学校に進学するのが一般的な地方都市郊外の場合は、その土地で暮らす場合に指定された学校の評判や校風は気になることだと思います。
夫婦共働きの場合には、自宅近くに保育園があれば、なにかと便利ですし、地域のコミュニケーションが活発なエリアなら子育てをママ友と協力し合えるかもしれません。
その土地の校区は扱っている不動産業者に尋ねれば必ず教えてくれます。
それ以外にも徒歩や自転車で移動できる圏内に図書館や大きな児童公園などがあるかどうかも、興味のあるところですね。
③生活全般の利便性
日常的な生活に必要なスーパーやドラッグストア、コンビニ。週末に行きたい大型ショッピングセンターなどをチェック。駅から自宅までの途中にスーパーがあれば申し分ないですね。
駅までの移動手段にバスを考えているなら、その運行本数も気になるところ。
さらに銀行や郵便局、子どもがいるなら近隣に病院があると、何かと安心です。
④実家との距離
夫婦どちらかの出身地で土地を探す場合は、どうせなら実家の近くのエリアが断然、お薦め。
最近は夫の実家よりも妻の実家の近くの方を優先的に考える方が増えています。
理由は子育て期に妻の両親の方が何かと頼みやすいから。。(笑)
夫側の両親としてはちょっと複雑な心持ちかもしれませんが、ママが機嫌よく子育てできる環境が、ひいては家族の幸せですから、そのあたりは親世代として理解して応援してあげてほしいと思います。
予算で決める
家と土地、そして諸経費。
この全てを合わせた金額が”家を建てる総予算”ですので、家族会議を開いて、まずはそこのところを把握します。
頭金がどれくらい準備できるのか?
どれくらい住宅ローンの融資を受けるのか?
「ん?待てよ、自分達ってどれくらい借りれるのかな?」と、何の準備もなく銀行に飛び込んで「いくら融資してもらえますか?」と尋ねちゃいけません。
自分達が「借りれる金額」ではなく、将来にわたってずっと「無理なく返していける金額」を知ることが最初の一歩です。
最近は家計チェックできる便利なサイトもあります。
参考サイト
↓
リクルートのみらい家計シュミレーション
そういうの苦手で。。。って場合は、有料ですが、現在の毎月の支出や収入、貯蓄状況などの資料を持ち込んで返済シュミレーションをしてくれるファイナンシャルプランーさんに相談してみるのもひとつの方法です。
私は仕事では、設計相談に来られたお客さまにはファイナンシャルプランーさんをご紹介して、子どもさんの教育費や老後資金まで見越した生涯のライフマネー計画をシュミレーションしてもらっています。
やはりお金のことはお金のプロに相談するのが一番安心です。
ネットで「地域名+ファイナンシャルプランナー」で検索すると、それぞれの地域で相談をうけてくれる方の情報が出てきますので、ぜひお薦めします。
さて、家づくりの総予算が把握出来たら、そこから家にかかる費用と諸経費を引いて、土地の予算をわり出します。
「え?家づくりの予算は自分たちのことだからわかるけど、家にかかる費用と諸経費なんてどうやったらわかるの?」
そうなんです。建売住宅なら土地と家で○○万円ってはっきりわかるのに、注文住宅を建てる費用って、とてもわかりづらいですよね。
これは家に対する要望や工法などで同じ大きさの家でも、全然違います。
だからこそ、本当は土地を探す前に、大まかでもいいので自分たちの希望の家がどれくらいのコストがかかるのかを調べておく必要があります。
宣伝用のチラシに書かれた、「坪いくら!!」のあいまいなPR用の費用ではなく、家を建てる時に本当にかかる費用です。
もし、どこかで商談中ならだいたいの概算見積もりをもらっておいて下さい。
でも、ハウスメーカーや工務店に行って話を聞こうとすると「しつこい営業されそうで怖い」って思って先に進めない場合は、ネットで自分たちのイメージの家を探してそれを元に費用を把握することも可能です!
家にかかる費用をザックリと把握する方法はコチラの記事でご紹介しています。
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最初に試算した、「自分たちが準備できる総予算」から、リサーチした「家と諸経費の合計」をマイナスした金額が「土地の予算」です。
「自分たちが準備できる総予算」-「家と諸経費の合計」=「土地の予算」
順番としては土地を先に決めるので、「まあいいや何とかなるだろう。きっと大丈夫だろう」って安易に全体の予算を考えずに、土地の購入を先走ると、結果として、希望の家が建たなくなったり、ローンが大きくなり過ぎて後悔することになります。
土地の予算の目安を決めた上で予算最優先で候補を絞っていくのはお薦めの方法です。
ライフスタイルで決める
家を建てる場所はライフスタイルと密接に関係します。
これは自分たちのこれからの人生について、よく考えてみる良いきっかけにもなります。
例えば、
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●田舎暮らしがしたい。ゆくゆくは脱サラして夫婦でカフェをやりたい。
●子どもが小さい間は自然の残る土地の一戸建てで子育てして、子供が独立したら都市部の便利な場所で暮らす予定。
●逆に会社勤めの間は勤務先の近くで暮らすけれど、定年になったら実家のある田舎にUターン予定とか。
●若い間は核家族で、新興住宅地で気楽に暮らしたいけど、最終的には田舎の実家の家を継いで2世帯住宅にする必要があるので、その時は賃貸住宅として資産としたい。
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などなど、ライフスタイルによって、どこでどんな土地を探すか?が違ってくる場合もあります。
案外、ご夫婦でもこのあたりの自分たち家族の長期的なライフプランについて、改めて話し合ったことが無いかもしれません。お互いの人生の夢なども交えて、話し合ってみるいい機会です。ゆっくり時間をとってみて下さい。
加えて、後から「それなら言ってくれたらよかったのに~」とならないように、事前にご両親も交えて率直に話し合ってみることも大事です。
お客様の場合でも、「土地を買って家を建てたい」とご両親に話したところ、建築資金の援助などいろんな話になって。。。。結果、土地を買って新築ではなく、実家の増築→2世帯同居に計画変更になったり、実家の隣の敷地を親から贈与されることになったり。。。というケースが過去にいくつかありました。
土地の特性で決める
用途地域や防火地域
土地は12種類の「用途地域」という規制で、建築基準法によって、その土地に建てられる建物の種類や規模、高さなどが制限されています。気になった土地の用途地域は必ず不動産会社などに確認しておきましょう。
用途地域以外でも、「防火地域・準防火地域」に指定されている場合は、特に建築費用がアップしますので要注意です。東京都内なら、JR山手線の外周部を中心に帯状に広がっている「木密地域」は耐火性能などの規制が強化されているエリアなので、事前に確認が必要です。
建ぺい率、容積率など
土地にはそれぞれ建てられる建物の大きさや高さに制限があります。
建築面積は「建ぺい率」で、延床面積は「容積率」で決められていますし、その他「高さ制限」「北側斜線」などさまざまな規制があるので、同じ大きさの土地でも、建てられる家の大きさの上限が違ってきます。土地が小さければ小さいほど、この規制によるダメージが大きいので、これも要チェックです。
土地や道路の形状
一般的には売り出されている土地の多くは長方形です。変形土地は無駄なスペースができやすいので不人気で比較的坪単価が低めなので、プランによって上手く活かせるなら狙い目であったりします。
旗竿(はたざお)形もお値打ちで売り出されていることが多いですが、ご近所トラブルがおきやすいとか建築費用が高めになるとかデメリットもあるのでよく考えましょう。
逆に郊外だと、崖地に接した場所は「土砂災害防止法等」で建築規制されている場合があるのでご注意ください。
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)や土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定されている場合は、建築が出来ない場合もあります。
この「土砂災害防止法等」という条例、平成13年に施行されたのですが、各自治体で調査して結果、危険だとみなされた場所で順次少しづつ範囲指定が進んでいます。
つまり去年まで建築可能だった場所が、今年になって指定されることもあるんです。
もちろん、既に住宅が建っているエリアも情け容赦なく指定されますので、「ここ、家がたくさん建ってるから大丈夫!」という判断は非常に危険です。恐ろしいことに、不動産会社やハウスメーカーの営業マンでは、知らない場合もあるので、法規制に明るい設計事務所の建築士に調べてもらったり、地域を管轄している土木事務所にご自身で確認したほうが安心です。
実は私のお客様でそういったトラブルにあって、予定していた場所での建築を断念された方が最近、いらっしゃいました。ご注意くださいね。
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土地探しの時の意外な注意点
いろいろ土地探しのポイントをあげてきましたが、最後に4つの注意点をご紹介します。
近所にどんな人が住んでいるか?
これは候補の土地の特に両隣や道の向かい側、同じ町内にどんな家族が住んでいるのか?をできうる限り注意深く知ることです。
家の周囲が散らかっていないかどうか?や自家用車の様子や、何度もその場所に足を運べば、お会いして目礼だけでも出来るかもしれませんので、なんとなく雰囲気だけでもつかめると安心です。
もっと積極的に考えるなら、自治会長さんのところへ菓子折り持参でご挨拶に出かけてリサーチする、というのもひとつの方法です。
実際に、私のお客様の中には、お隣の方が有名なトラブルメーカーだと知って、購入予定の土地をあきらめた方も過去にいらっしゃいます。(その場合はたまたまご両親がその地域に詳しかった)
ご近所の方との人間関係は大事です。新しい家での暮らしがストレスにならないように事前チェックしてみてください。
やっぱり何度も現地へ行ってみる
これは図面を見て、一度や二度くらい見ただけではわからないことも、何度も現地へ足を運ぶことで事前にし知ることができますよ、という事です。
これも私のお客様の例ですが、敷地の南側に大きな静かな公園があって「日当たり抜群でうれしい」と感じていたのですが、日曜の早朝に現地へ足を運んだら、「草野球の早朝練習!!」で大声の掛け声や砂埃、たくさんの路上駐車。聞けば、ほとんど毎週そのような状況だとの事。慌てて、不動産屋さんに入れていた土地購入の仮予約を取り消しました。
これなどは、平日しか現地に行ったことが無かったので、わからなかったデメリットです。
他にも、お隣が老人施設の大きな駐車場で広々していて気に入った土地を購入予定なさろうとしていたお客様は、平日の昼間に現地でたまたまお会いした老人施設の職員の方とお話したら、「近い将来にこの駐車場をつぶして増築予定」とお聞きしてびっくりして予定変更されました。
平日や休日。朝や夕方など、いろんな日取りや時間に何度も現地へ足を運ぶと見えてくることもあります。
可能な限り行かれてみることをお薦めします。
地名に隠れた危険性に注目
日本はいつ、どこで地震があっても不思議ではない国。
そして、もしその地震があった時に備えて気になるのが、地盤の弱さ。
現実問題としては、家を建てる前に「地盤調査」をして弱ければ「地盤補強工事」という地盤を強くする工事をするのですが、やっぱりもともとの地盤が強いにこしたことはないですし、「地盤補強工事」のコストもかからなくて、ありがたい。
ですが、(これ良くお尋ねいただきますが)購入予定の土地の地盤の強さは事前に調査することはできません(自分の土地じゃないから当たり前なんですが)
「地名」に湿地や水田、水などに由来する地名が入っていたら、地盤が弱い可能性があります。(新興住宅地の場合は、旧地名をチェック)
そこで、参考になるサイトをご紹介しますので、その土地の成り立ちにもちょっと注目してみて下さい。
参考サイト
日本全国・危ない地名
このサイト見てるとなんだか、怖くなってきます。
ですが、地盤調査をして、データを専門家に判断してもらった上で、必要な地盤改良をキチンと施せば「不同沈下(地盤が家の重さに耐えられずに不均等に沈下して、家が傾いたり、クラックが入ったりする事)」を防ぐ事は問題なくできますので、むやみに怖がる必要はないのでご安心ください。
その他、各地域ごとの浸水被害予想図など自然災害の情報をまとめているサイトもあります。参考にしてみて下さい。
参考サイト
国土交通省ハザードマップサイト
敷地の境界を示す境界標を要チェック
隣地との境界を示す「境界標(土地の四隅などに打ち込まれている)があるかどうかを確認。
宅地分譲などは問題ないですが、古い住宅地だと、案外これがずれていたり、あいまいだったり。。。
お隣さんとのトラブルの元ですので、土地の購入の際にはハッキリさせて関係者が立ち合いの下で、境界標を打ち込みましょう。
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土地の探し方ポイントまとめ
土地探しの優先順位を決める
[box class=”glay_box” title=”土地探しのポイント”]
①エリアで決める
通勤や通学の利便性・子どもの教育環境・生活全般の利便性・実家との距離
②予算で決める
③ライフスタイルで決める
④土地の特性で決める
用途地域や防火地域・建ぺい率、容積率など・土地や道路の形状
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土地探しの時にはここも注意
[box class=”glay_box” title=”見落としがちな注意点”]
①近所にどんな人が住んでいるか?
②やっぱり現地へ何度も足を運ぶ
③地名に隠れた危険性に注目
④敷地の境界を示す境界標を要チェック
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どこで、家族が一生暮らしていくか?を決める大切な「土地探し」
慎重さも大事ですが、ピンっときたら素早く動く行動力も必要。
家づくりの大切なスタートの第一歩にこの記事が参考になればうれしいです。
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