窓ガラス(サッシ用ガラス)にはたくさんの種類がありますが、住宅のサッシに使うガラスの場合、テクスチャー(質感)の違いで大きく分けて以下の3つの種類があります。
「透明ガラス」
「型(かた)ガラス」
「すりガラス」
「透明ガラス」については説明は必要ないと思いますが、「型ガラス」と「すりガラス」については、よく知らない!って方も多いと思います。
どうやって使い分けて良いのかわからない方のために、それぞれの特徴や使い分け方について詳しくご説明します。
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型ガラスとすりガラスの違い
↓左が「型ガラス」右が「すりガラス」
この2種類は透明ガラスではプライバシーが守れず、具合が悪い場所に使います。
よく似ていますがそれぞれに特徴があります。案外見落としがちですが、建ててからの住み心地に関わる大きなポイントなので、しっかり特徴や使い分ける際のポイントを知って下さいね。
型ガラスの特徴
型ガラスは透明ガラスの片面に型で凸凹(デコボコ)とした模様をつけたガラスです。
表面は若干凸凹しています。
↓近くに手を近づけてみると、こんな感じです
古民家や昭和レトロデザインが好きな方なら、古い家の窓ガラスに懐かしい模様のガラスが入っているのを見た事があるんじゃないかと思います。
興味が無い方でも、もしかしたら”おばあちゃんちの窓”でこんなガラス見た事はないですか?
↓こんなの!
1980年代の型ガラス”夜空” |参照 OOKABE GLASSサイト
昔はこんな風にいろんな種類の模様がありましたが、時代の流れと共にほとんどが生産中止になり、現在は住宅用のサッシメーカーが採用している「型ガラス」の模様は業界では梨地(なしじ)とか霞(かすみ)とよばれる、オーソドックスな模様の一種類だけです。
↓少しアップします!梨の皮の凸凹の感じに似てるので梨地とよぶそうです。
すりガラスの特徴
「すりガラス」は砂状の物質でガラスの表面に傷をつけて(サンドブラストと言います)不透明の状態にした物です。別名「曇り(くもり)ガラス」ともいいます。
表面はザラザラとしています。
↓近くに手を近づけてみると、こんな感じです
そのすりガラスに薬品処理をして手垢などが付きにくくしたのを「フロストガラス」といいます。
表面はサラサラとしています。
実はサッシメーカーのカタログに記載されている、一見したところ上の写真のような不透明のガラスは正しくは「フロストガラス」です。
ただ、「フロストガラス」は一般的には知名度は低く、見た目や使い勝手も「すりガラス」と同じなので、建て主さんが「すりガラス」あるいは「曇りガラス」と表現しても、お聞きした業者さんは、「あー、はいはいフロストガラスの事ですね」と判断しています。
型ガラスとすりガラスのコストと納期の違い
コストは型ガラスよりも、すりガラス(フロストガラス)の方が高く、納期も長くかかります。
大まかですが、すりガラス(フロストガラス)の場合
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本体部分の値段が10~15%程度高く(サッシ本体のコストは同じ)になります。
納期は2週間程度長くかかります。(※工務店などにより差がありますのでご確認ください)
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これはサッシメーカーのガラスの標準仕様が「透明ガラスと型ガラスのみ」に設定されているためです。
すりガラス(フロストガラス)はオプションとして選ぶ形になっているので、コストアップと納期が長くかかる事を覚悟してください。
ハウスメーカーや工務店さんなどによっては、標準仕様からの変更を嫌って、すりガラス(フロストガラス)が窓ガラスの選択肢としてあるという事さえも教えてくれない場合もあるらしいので、インテリアにこだわりたい方は要チェックして下さいね。
型ガラスとすりガラスはどう使い分けるの?
型ガラスとすりガラス(フロストガラス)
どちらも透明ガラスではプライバシーが守れず具合が悪い場所に使います。
ではどう使いわけるのか?
これについては、インテリアイメージについてのこだわりの強さがポイントです。
すりガラスの方が、モダンデザインにもレトロデザインにもどちらにもよく似合います。型ガラスは実用的ではありますが、美的とはいえません。
トイレやサンルームなど常に人の目にさらされる場所で無く、道路からも見えにくい場所などでしたら、構わないかもしれませんが、リビングやダイニングの大きな窓に使うと場合によっては、一気に生活感がでる事もありますから注意しましょう。
特にシャープでシンプルなデザインがお好きでしたら、型ガラスよりもすりガラスの方がインテリアイメージとしてはお洒落な感じになります。
ただし!上述したようにコストも納期もかかります。
コスト重視でいくべき箇所なのか?
デザイン優先でいくべき箇所なのか?
その住まいのデザインコンセプトや好み、ライフスタイルをふまえて使い分けられるように、迷う場合は、場所ごとに両方のガラスで見積もりを取ってみて、比較検討されると良いと思います。
型ガラスやすりガラスって汚れないの?
透明ガラスと違って、汚れが表面が凹凸していたりザラザラしていたりする”型ガラスやすりガラス”は汚れが付くんじゃないか?と心配するかもしれませんが、家の中のドアなどのガラスと違ってサッシ窓にはペアガラスを使います。
ペアガラスとは、空気層を挟んだ2枚のガラスで出来ています。
で、サッシ窓の型ガラス、すりガラスを使うのはそのうちの一枚だけです。
そして型ガラス、すりガラスの凹凸面やザラザラ面はペアガラスの2枚のガラスの内側に向けます。
型ガラスもすりガラスも片面は汚れやすいのですが、家の中も外も手が触れる部分は平滑でツルツルな面を使います。
つまり、雨風や手の汚れは付かない構造になっています。ご安心ください。
同じ理由で、すりガラスって水に濡れると透けるんじゃないの?ってご心配も無用です。
時々、間違った情報が書いてあるサイトがありますが、それはシングルガラスが多く、ペアガラスが普及していなかった、20年前くらいの話です。
現在の新築やリフォームではサッシ窓にはペアガラス!が常識ですから問題はありません。
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型ガラスとすりガラスの違いまとめ
[box class=”glay_box” title=”型ガラス”]
透明ガラスの片面に型で凸凹(デコボコ)とした模様をつけたガラス
表面は若干凸凹しています
サッシメーカーの標準仕様
ちょっと生活感がでる?感じ
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[box class=”glay_box” title=”すりガラス(フロストガラス”]
透明ガラスの片面に砂状の物質で傷をつけて不透明の状態にしたガラス
別名「曇り(くもり)ガラス」
表面はザラザラしています
サッシメーカーではオプション扱い
おしゃれな感じだけどコスト高めで納期長め
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コスト重視でいくべき箇所なのか?
デザイン優先でいくべき箇所なのか?
(実はこれ家づくりで常に悩むツボなんですけれどね…)
家族でよく相談して使い分けてみて下さいね!
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